G.F.G.S.
“日本のボーダー”を着るという選択。加茂発のG.F.G.S.の服づくり
ガラス一面に鮮やかなピンクで描かれた「G.F.G.S.」のロゴ。新潟県加茂市の商店街に佇むこのショップは、全国の“ボーダー好き”から注目される服づくりの拠点です。
加茂の街の一角で、毎日こつこつと作られるのは、着る人に寄り添う一着。肌ざわり、シルエット、襟ぐりの深さまで丁寧に設計されたオリジナルカットソーです。

社名となる「G.F.G.S.」は、”濁音で始まる4文字のアルファベット”、”響きがかっこよかったから”という感覚的な理由から作り出されました。のちにスタッフの提案で『Good Feel, Good Style.(心が動くことを、私たちのやり方で。)』と意味づけされ、いまやブランドコンセプトにもなっています。
代表の小栁雄一郎さんは、新潟の大手鐵工メーカーや燕三条の刃物メーカーなどの製造業にて長年勤務したのち、実家の縫製業がリーマンショックの影響を受けた地元の大きな問屋さんの倒産等があり、苦境に陥ったのをきっかけに家業へ。
家業を立ち直すためにOEM(製造委託)だけでない事業を立ち上げるにあたり、オリジナルブランド商品を考えたそうです。
『定番をつくりたい』という思いがあった中で、“ボーダー”といったらと考えた時に「ボーダーといえば海外ブランドが主流。そこで、私たちは“日本のボーダー”と言ったら『G.F.G.S.』と呼ばれることを目指したい。」と小栁さんは語ります。
さらに、小栁さんの家業である縫製業をお手伝いされていた奥さまからの助言もあり、『オーガニックコットンのオリジナル“ボーダーカットソー”』が生まれたそうです。
このオリジナル商品を新潟市中央区古町地区のセレクトショップ「ヒッコリー」へ出品したことを機に話題に。2016年には法人化を果たし、本格的にG.F.G.S.を始動しました。

G.F.G.S.の服は、作り置きしません。
昨今のファッション業界や長年勤めていた製造業での経験から大量生産・大量消費の現代社会に疑問を持たれていた小栁さんは、人や社会、環境に配慮したサスティナブルなスタイルが重要になっていくという思いのもとで、注文を受けてから1着1着生地から製作する“完全受注生産”スタイルで、自社工場にて無駄を出さずに丁寧に仕上げています。
また、原料や染色、製作工程にもこだわりが詰まっています。
原料であるオーガニックコットンは、品質の良いコットンをミックスしたオリジナルのものとなっていること。
染色では、糸の状態で染める“先染め”をしているため、色落ち・色あせしにくいものであることに加え、新潟県の地元企業に依頼をすることで地場産業の発展とクオリティの管理をしやすくし、オーガニック基準に合わせた調合を行い環境保全にも配慮しています。
製作工程においては、不要な薬剤を使用しないため、肌への影響も少ない心地よく着ていただけることや“洗い”をしているので製品になってからの縮みはほぼないことなどなど。
購入後も長く使ってもらいたいという小栁さんの思いが随所に感じられました。


購入方法も今の時代に合ったWEBのオンラインショップがメインとなります。
このショップでは、セミオーダーになっている点も特徴のひとつ。
基本的なデザイン・サイズパターン・生地の厚さ・袖丈の長さを選べるだけでなく、ボーダーの幅や色の組み合わせまでセレクトできるので、自分好みのスペシャルな一着を注文することが出来る。
プレビューを見ながらシンプルな操作で選択することができ、お部屋でもゆっくり悩みながら選べるのもオンラインならではですね。
さらに「タグを外してほしい」「丈を少し短くしたい」といった細かなリクエストも備考欄で対応してくれる、まるで“個人仕立て”のような柔軟さも魅力です。
小栁さんから「購入していただいた方の中には、ここまで自由に選ぶことができてしまうので、購入をするまでに数か月悩まれた方もいらっしゃいました。」というお話もあり、その方の気持ちに『わかる!』と思ってしまいました。
「そんな時は、『お気に入りの組み合わせ』を5着まで保存できるので、いろんな組み合わせを試していただき、自分の好みを見つけてほしい。」と小栁さんはおっしゃっていました。


デザインには毎年約4色のシーズンカラーが登場し、常連の中には「毎年の楽しみ」として買い足している方も。
特にこだわるのは“見えない快適さ”。下着が透けない、見えない、肌に当たらないタグ……そういった細やかな工夫が、毎日の「ちょっと気持ちいい」を生んでくれます。


G.F.G.S.の実店舗は、月に数回のみのオープン。最新の情報はInstagramやFacebookで発信されています。明るくポップな店内には、自慢のボーダーカットソーがずらり。カラーの組み合わせだけでもわくわくする空間です。
普段は公式サイトからの注文がメインですが、「G.F.G.S.の服に触れてみたい」と来店するファンも後を絶ちません。
直接店舗を訪ねると、試着スペースもあるため、試着してみて着丈や袖丈の調整した注文ができるそうです。心地よく長く着てもらうための工夫が、細部に宿っています。

加茂で暮らし、加茂で作る――この町でのものづくりに誇りを持ち、今も現場に立ち続けている小栁さんですが、実店舗のすぐ近くにあるカフェ『BBC』さんをプロデュースされているのは、知っている人も多いはず。『BBC』さんについては、過去のcocomoの記事をチェックしてみてください。
最近では「GFGS CARLIFE」という新たなプロジェクトも始動。
車が必要不可欠な新潟で暮らすからこそ、車の選び方や使い方もファッションと同じように“良いものを長く使っていく”を提案する事業になります。
現在、アウトドアイベントとコラボした、新しいライフスタイル提案を展開中です。今後は加茂を飛び出し、全国各地でのポップアップ出店も予定しているとのこと。
「ただ服を売るだけじゃなく、暮らしの一部として楽しんでもらいたい」。
そんな想いが、少しずつ形になっています。
“かっこいい”より、“心地いい”。
加茂で生まれたG.F.G.S.のボーダー服は、今日もどこかで誰かの暮らしにそっと寄り添っています。
スポット情報Spot Information
スポット名 |
G.F.G.S. |
---|---|
TEL・予約 |
0256-46-8798 |
住所 |
加茂市本町3-12 1F |
営業時間 |
◆OPEN LAB.開催時 11:00 - 12:00 / 13:00 - 17:00 ◆平日(SHOPのみ) 11:00 - 12:00 / 13:00 - 15:00 |
定休日 |
不定休(Instagramにて案内) |
リンク |
![]() ![]() |
この記事をシェアする
人気記事ランキング
- 食堂 六太郎
- 平屋食堂みもざ
- 手づくりパン・ジェラートClair(クレール)
- おにぎり屋 かみむすび
- 菓子工房 いち華
- 村の洋食屋 かりん亭
- Taverna Trifoglio(タヴェルナ・トリフォッリオ)
- UNE HUIT CAFE(アン・ユイット・カフェ)
- 駄菓子や 昭和基地一丁目C57
- パティスリー&レストラン MAMEFUKU(まめふく)
- FRUITS FOREST(フルーツフォレスト)
- ガーデンカフェかものはし
- にいつ駄菓子の駅
- BERON COFFEE ROASTER(ベロンコーヒーロースター)
- OLD PALE
- 平山豆腐店
- 石碾き蕎麦 越水(こしみず)
- 芦沢高原ハーバルパーク
- ゑびす屋(すにーかー倉庫×アウトレット)
- お食事&コーヒー 大阪屋
- お昼ごはん 時々 夜ごはん TAMARIBA(タマリバの台所)
- お菓子のきりん堂 Free Style Patisserie L.P.S
- 五泉名物とりかん
- 小さなケーキ屋さん パティスリーMerrily
- BOB HOUSE(ボブハウス)
- みやパン
- 中国料理 大猩猩(ダァーシィンシィン)ほそ山
- しょこら亭
- 菓子工房マツサカヤ
- フジイ菓子店(ケーキの店フジイ)
- そば処 いはの家(北方文化博物館内)
- 笹周
- cafe yadorigi(カフェ ヤドリギ)
- パティスリー リヤン
- らーめん流れ星
- 『ちいさなお菓子屋さんWAYOGASHIのABE』
- 藤次郎
- 手づくりパンの店 グーテ
- UOYUKI SOUP CURRY &
- フォー&バインミー ROU ANN PULAR(ローアンプラー)
- 涌井金太郎商店
- 近藤精肉店
- 紙ふうせん
- 栗原製菓
- 濁川公園
- くれーぷaco
- レストラン ムッシュ
- ひら麺と珈琲の店 Ojigo(オジゴ)
- そば処 志のぶ
- やまとやパーラー
cocomo(ココモ)ってなに?
「あ、ここも行ってみたい。」思わずそうつぶやいてしまうようなスポット・情報を発信するWebマガジンです。