(株)慶八 お茶の石川園
「ごいっぷくどうぞ」のおもてなし。90才のおばあちゃんが入れてくれるふくよかなお茶と自家製 “栗の渋皮煮” や “生姜糖” でほっこりしませんか。
五泉市村松、滝谷(たきや)川にかかる城川(じょうかわ)橋のたもとにある昔ながらのお茶屋『お茶の石川園』さん。創業は約150年前の明治前期という歴史あるお店です。
村松藩の名品5品の一つに数えられたお茶。かつて村松の地には広い茶畑が広がっていたといいます。
石川園さんも自家の茶畑でお茶を栽培、さらに製造・販売まで手がけ、たいへん賑わいました。
昭和の終わり頃、川の改修に伴い工場を閉鎖した後は、先々代の社長が村松茶の味わいに最も近い味を探し求めていきついた静岡茶の販売と、自家製のお茶菓子の販売をされています。
石川園さんをお訪ねすると、素敵な3人の女性陣がにこやかに「ごいっぷくどうぞ~」と椅子を勧めてくださいました。
写真左から現在の社長 石川慶基さんの祖母・茂代さん、母・由紀子さん、叔母の直子さんです。
90才の茂代さんが入れてくれるお茶の香りのふくよかさに思わずうっとり。
口に含むとまろやかな味わいにまたほっこり。
こうしてお茶の試飲をさせていただけるので、自宅用や贈答用のお茶選びがしやすくてありがたいですね。
現社長が生まれたときのお祝いに植えたという栗の木が何十本もあり、その栗の実を活用して由紀子さんが手作りしている「栗の渋皮煮」は自家栽培で添加物は一切不使用。
これを店でも販売すると静かに口コミが広がって評判を呼び、五泉を代表するお菓子屋さんのクリスマスケーキにも使われるほどに。
渋皮煮は瓶詰めで販売されているので、中にたまっているシロップも捨ててしまってはもったいない!煮物などの隠し味に使うと奥の深いこくが出るのでオススメだそうですよ。
また、クラッカーやパンにのせて美味しい「栗のペースト」や、栗ご飯にぴったりの「冷凍むき栗」なども販売されています。
また、なつかしい味と香りがうれしい「生姜糖」や「柚子マーマレード」もすべて由紀子さんの手による自家製で、材料の生姜は由紀子さんの母が無農薬で育てたものを使い、柚子も地元産。
使用する砂糖は北海道の甜菜(てんさい)から作られる甜菜糖と、自然&無添加にこだわった安心の品です。
生姜の鼻に抜ける香りと甜菜糖の自然な甘み、柚子のさわやかさと優しい甘さ、お茶受けに最高ですが、コーヒーや紅茶など他の飲み物との相性もバッチリです。
約150年の歴史を誇る『お茶の石川園』さんなので、店内にさりげなく置かれている古い道具類も魅力的。歴史的資料としても価値の高そうなものが並んでいるので、こちらもぜひご覧ください。昔から使われている天秤や木製のレジスターなど、なかなか見られない珍しいものがたくさんあります。
食後に家族でお茶を一服といったお茶の間の光景はなかなか見られなくなりつつありますが、「急須で入れるお茶の美味しさをぜひ味わってほしい」という由紀子さんの言葉に茂代さんも直子さんも大きくうなずいていました。
「急須のお湯の中でお茶の葉が泳ぐんですよ。そうすることで美味しいお茶が入るんです。」
つい便利なペットボトル入りで済ませてしまうことが多いですが、たまにはそうやって本来のお茶の美味しさを楽しむ余裕をもちたいものですね。
取材中も、お得意様がお茶やお菓子、たばこを買いに来られて店内は和気あいあい。
「近くに来たらいつでも寄って~!」と暖かく送り出していただいて取材を終えました。
おばあちゃんの待つ実家に里帰りをしたような懐かしさと居心地の良さ。必ずまた訪ねたいという思いになれるお茶屋さんです。ぜひお気軽にお立ち寄りください。
スポット情報Spot Information
スポット名 |
(株)慶八 お茶の石川園 |
---|---|
TEL・予約 |
0250-58-7645 |
住所 |
五泉市村松乙474 |
営業時間 |
9:00~17:00 |
定休日 |
月曜、第二日曜、ほか不定休あり |
リンク |
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