フレンチカレーとお菓子の店 Pino(ピノ)
川の流れと移り変わる空の色を切り取る、松浜本町の『フレンチカレーとお菓子の店 Pino(ピノ)』。食材を無駄にしないフレンチカレーと上品な味わいのお菓子で心安らぐひとときを。
ゆったりと流れる川と坂の街、松浜。
新井郷川のほとりにたたずむこちらのお店『フレンチカレーとお菓子の店 Pino(ピノ)』さんは、2022年4月にオープンしたカレーと焼き菓子のお店です。
カレーのお店は新潟にもたくさんありますが「フレンチカレー」ってあまり聞かない気がしませんか?興味津々、さっそくおじゃましてきました。
木目の美しい外観。ガラスには新井郷川や対岸の景色が映って、まるで絵画のような佇まいです。『Pino』と店名が書かれたプレートが入り口の横に掛けられています。店名の響きとこの控えめなほどのシンプルさに、かえって期待が高まりますよね。
ドアを開けて中へ入ると思わず「わあ、素敵!」と声が漏れてしまいました。
真っ白な壁とグレーのモルタル、そして椅子やテーブルの温かい木の色合い。目の前を流れる新井郷川に面した壁には大きく切られたはめ込み窓。
まるで映画のワンシーンに迷い込んだような気分になれる空間が広がっています。
このお店を営むのは斎藤信秀さん・春菜さんご夫妻。
お二人は同じ専門学校の出身で信秀さんが1年先輩だそうですが、コースは違って信秀さんがパティシエ、春菜さんはシェフを目指すコースを専攻していたとのこと。でも『Pino』のフレンチカレーは信秀さんの担当で、春菜さんは焼き菓子の担当。
あれ?専攻と逆ですよね?
実は信秀さんは製菓のコースを選んだものの、在学中に料理の奥の深さを面白く感じるようになり、進路を転向。卒業後は東京のホテルのレストランで洋食を担当することになり、さらにその後はビストロで4年近く経験を積んだのだそうです。ホテルでは宴会料理のノウハウを、ビストロでは個人のお客様向けに個別に料理を提供するノウハウを学びました。
一方、春菜さんは卒業後、新潟の某自動車学校の合宿所の食事を作る仕事に就き、2年間で何百種類もの家庭料理を作ったそうです。その後、上京してカフェやお菓子、デリなどを経験します。
東京で結婚したお二人でしたが、お子さんの誕生をきっかけに「子育ては新潟でしたい。」と故郷へ戻ることを決めたのが2年半前。ちょうど新型コロナウイルスの感染が拡大し始めて社会が大きな影響を強いられていた時期でした。
そんな頃だったので求人も少なく、「それだったら自分たちで店をやろう!」と決断して完成したのが『フレンチカレーとお菓子の店 Pino』なのです。
『Pino』というのは、フランス語で松ぼっくりを意味する「Pinot」をもじったもの。松浜の松にかけて、まだ小さな松ぼっくりがこれから大きく育っていくという想いを込めて名付けたのだそうです。
店を始めるにあたり、「一度食べて満足するんじゃなくて定期的に食べたくなる料理をと考えて、行き着いたのがカレーだったんですよね。」と信秀さん。
「新潟はカレー屋さんがとても増えているので、後発の僕等は他のお店と違う物を提供しようと。インドカレーやスパイスカレーのお店は多いんですけど、欧風カレーの店ってあまりないので、それでいこうと。僕はフレンチをずっとやってきましたし、それでフレンチカレーの店にしたんです。」と話します。
食材を無駄にしない料理のフレンチ。捨てられることの多い、野菜くずやお肉や魚の切れ端などを一切無駄にせず、出汁をとってソースや食材を煮込む時に使うんだとか。そんなフレンチの奥深さが『Pino』さんの料理のベースとなり、フレンチカレーの美味しさに繋がっているんですね。
定番のカレーはビーフカレー、オマール海老のビスクカレーの2種。(1,300円~/税込)
その他、日替わりメニューが1種。こちらは鴨肉のカレーなど定番とは異なるカレーの日もあれば、パスタやフランスの煮込み料理など違った料理の日もあるそうです。
この日頂いたビーフカレーは後から来るまろやかな辛さと、ほろほろになるまで煮込まれたビーフ、そして贅沢にトッピングされたナッツの食感がたまらない美味しさでした。ポカポカと体が温まり、窓から見える景色を眺めながらじっくり味わっていると、時間の流れまでゆっくりと穏やかにに過ぎていくようです。
プリンなど皿盛りのデザートを担当するのも信秀さん。食事なしでのカフェ利用もOKなので、気軽に注文してくださいとのことです。
また、春菜さん担当の焼き菓子は主にテイクアウト用に販売しています。
この日用意されていたのは「フロランタン」(1個250円/税込)。ざくっとした歯ごたえとアーモンドの香ばしさがクセになりそうな美味しさです。
もともと焼き菓子作りが趣味だったという春菜さん。信秀さんは「僕は焼き菓子は作れないです。」と妻の春菜さんの腕をリスペクトしている様子がうかがえました。
それぞれの持ち場がはっきり分かれているので、お互いに相手の仕事には口を出さないのかなと思いきや、「すごく口出しますよ!」と春菜さん。「お客様の前では穏やかそうにしてますけど、厨房に入ったらもうバチバチです。(笑)」と続けます。
あれこれ新しい事や思いついた事を試してみたい信秀さんと、お客さん目線で試食をしてブレーキをかける春菜さん。遠慮なく意見を出し合って火花が散るそうですが、信秀さんは「お互いプロなんで。」とさらり。それを受けて春菜さんも「でも家には絶対持ち込みません。子どもの前ではよきパパとママですよ!」とにっこり。夫婦としてのあり方がとてもかっこいいお二人なのでした。
お子さんを大事にするお二人らしく、店内にはキッズ用チェアも用意され、また「お子さまカレー(ジュース付き)」(700円/税込)もメニューにありました。お子さまが食べやすいように和風だしで作ったまったく別のカレーだそうなので、お子さん連れでも安心して一緒にカレーを食べに行けるのがうれしいですね!
『Pino』さんは東向きに建てられているので、西日が差し込むことがなく、夏の夕暮れ時など、雰囲気が良くとても心地よいそうです。夕焼けの反対側の空が薄桃色に染まり、新潟空港発着の飛行機が横切っていくのを間近に眺められるのも松浜ならでは。
美味しいフレンチカレーとお菓子を味わいながら、ゆったりと流れる川と坂の街の景色の移ろいを楽しんでみてはいかがですか?
スポット情報Spot Information
スポット名 |
フレンチカレーとお菓子の店 Pino(ピノ) |
---|---|
住所 |
新潟市北区松浜本町1-13-6 |
営業時間 |
11:00~15:00(LO 14:30) カフェとおやつの日(月2回)11:00~17:00(LO 16:30) |
定休日 |
木曜ほか不定休あり |
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