手打ちそば とどろきや
燕市で31年、ほっとくつろぐ手打ちそばの店『手打ちそば とどろきや』
燕市白山町の住宅街に、ひっそりと佇む 『とどろきや』 さん。
昼どきには、そばをすする音と、ほっとくつろぐような笑い声が響きます。ご主人の飯塚国夫さんが55歳で開業してから、今年で丸31年。奥様の美保子さんと二人三脚で、変わらぬ手打ちそばを打ち続けています。


ご主人・飯塚国夫さんは、もともと刃物製造会社の社長。
グレープフルーツナイフや夏みかんナイフなどを製造していました。
しかし54歳のときに、周囲の反対を押し切ってそば屋への転身を決意。福島県山都へ修行に出ます。

修業先では、そば打ちを教えてくれたおかみさんが怪我をしてしまい、急きょそば作りを任されることに。
「朝4時に起きて夜中の0時まで、ひたすらそばを打っていました。おかげでみっちり仕込まれましたよ」と笑うご主人。
その厳しい半年間が、現在の「とどろきや」の味の原点です。

山都で学んだのは、つなぎを使わない“十割そば”。
そば本来の香りと甘みを堪能でき、防腐剤や着色料も一切使わないため、体にもやさしいのが特長です。
手打ちそばならではのコシ、喉ごし、そしてほのかな香ばしさが口の中に広がります。

看板メニューの「天ざる」は、サクサクの天ぷらとともにいただく一杯。長年通う常連さんの定番です。
この日の天ぷらは、カボチャ、舞茸、ナス、オクラ(季節の青物)、ピーマン。
サクッとした衣の中に、素材の甘みと香ばしさがぎゅっと詰まっています。
天ぷらの腕前は独学ではなく、スーパーの天ぷら担当の知人に教わったり、東京で調理師をしているいとこや甥に習ったりして身につけたそう。
研究熱心な国夫さんらしいエピソードです。

そして、奥様・美保子さんが担当する「味噌煮込みうどん」も人気メニューの一つ。
手打ちのうどんに、キノコや葱、春菊などの具材がたっぷり入り、仕上げに酒粕を加えて体がぽかぽか温まる一杯です。
「お子さん連れの方は、そばよりうどんの方が食べやすいでしょ。だからうどんも自分たちで打つようにしたんです」とご主人。そばと同じく、うどんも添加物や着色料を使わず、やさしい味に仕上げています。


開業当時、燕は“ラーメンの町”と呼ばれるほどラーメン店が多く、「そば屋は長続きしない」と言われていました。
それでも国夫さんは、「どうせやるなら、自分が納得できるそばを」と信念を貫きます。
バブル期だった当時は宴会が連日のように入り、寝る暇もないほどの忙しさに。
それでも「自分がやりたくて始めたことだから」と語るその表情には、今も職人としての誇りが滲みます。


31年間変わらず、店を支えてきたのは夫婦の絆と“楽しむ気持ち”。
「儲けよりも、自分がやりたいことをやって楽しく生きていられることが一番」と国夫さんは言います。
だからこそ、自宅を改装して作り上げたという店内には穏やかで温かい空気が流れています。
四季の食材を取り入れた天ぷら、心も体もあたたまる味噌煮込みうどん。
そして何より、そば打ちに込めた職人の想い。
そのすべてが「とどろきや」という場所の魅力になっています。ぜひお訪ねください。
スポット情報Spot Information
スポット名 |
手打ちそば とどろきや |
|---|---|
TEL・予約 |
0256-63-6708 |
住所 |
新潟県燕市白山町3丁目13−25 |
営業時間 |
11:00~18:30 |
定休日 |
月曜(祝日の場合は営業) |
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