うのもりや
創業は江戸時代の寛政年間。歴史ある加茂の名店『うのもりや』。銘菓カルルス煎餅と葡萄羹・無花果羹の美味しさを再発見!坪庭を眺めながらコーヒーブレイクもいかがですか?
加茂といえば銘菓といわれるお菓子がたくさん生まれた街。贈答用に喜ばれる機会も少なくないですよね。今回は「カルルス煎餅(せんべい)」「葡萄羹(ぶどうかん)」「無花果羹(いちじくかん)」といった人気商品を長年製造販売し続ける『うのもりや』さん(加茂市仲町)におじゃましました。
初めて食べたときから何故か懐かしい美味しさのカルルス煎餅。
名前の由来は北海道のカルルス温泉にちなんでいるのだとか。
新潟県加茂市のお菓子に何故北海道の温泉の名前?と不思議に感じませんか。
昔、今のように通信手段が発達していなかった時代には、全国を渡り歩いてお菓子の製法を指南して回る職業があり、『うのもりや』さんにも定期的にそういった講師が訪ねて来ては、様々なお菓子やその製法を教えてくれていたのだそうです。
その一つが、カルルス温泉の炭酸塩を使用して作るこの「カルルス煎餅」だったんですね。
『うのもりや』さんのカルルス煎餅は明治41年に全国特産品博覧会で見事に受賞。
以来、現在に至るまで長きにわたり愛され続けているというわけです。
また、天然果汁100%のヤマブドウ果汁から作られる「葡萄羹」、同じく天然100%のイチジクジャムから作られる「無花果羹」も『うのもりや』さんを代表するお菓子の一つです。
昔はあちこちの山道で簡単に手に取り口にできたヤマブドウや、多くの家庭で栽培されていたイチジク。現在ではなかなか入手が難しいそうですが、それでも妥協はせず天然100%にこだわって作り続けているそうです。果汁羹ならではのつるんとした食感をぜひ味わってみませんか。
『うのもりや』さんでは和菓子、洋菓子のジャンルを問わず製造販売をしているので、自宅でのお茶菓子や誕生日用のケーキ、贈答用のお菓子など幅広い用途に対応してもらえます。
近年人気の「雪とけ」(ブッセ)は、ふわふわまん丸の満月の中にチーズクリームをサンド。1個162円(税込)と価格もお手頃なので、今日のおやつにいかがですか。(ホールケーキのご用命は事前にご予約を!)
お菓子だけにとどまらず、お中元・お歳暮などの各種贈答品やワイン、加茂の地酒なども広く取り扱っており、地下には写真のようなワインカーブが設置されています。
店内の吹き抜けから見下ろすこともでき、階段を降りてワイン選びを楽しめます。
フランスワインが多めですが、より気軽に楽しめるチリワインなども人気だそうですよ。
ぜひお気に入りの1本を見つけてみませんか。
この日お話を聴かせて下さったのは現社長の山内美恵子さん。隣には御年94才の看板娘、母のスミさんもいらっしゃいました。
加茂の人だけでなく広く知られる歴史ある『うのもりや』さんを「古いというだけなんですよ」と謙遜する美恵子さんのお人柄にほっこり。
江戸時代の寛政年間に『うのもりや』さんが引き菓子を納めたという記録が残る古文書などを見せてくださいました。
明治3年に近隣で発生した火災の延焼で当時の建物を焼失、その後建て替えた建物を平成10年、街路工事が行われたのを機に現在の物に再度建て替えと、建物の変遷をお聞きしただけでも歴史の古さが実感として伝わってきます。
店内には「Salon de tea(サロン・ド・テ)」と名付けた喫茶コーナーが設けられていて、坪庭を眺めながらハンドドリップの美味しいコーヒー500円(税込)と季節のファンシーケーキ440~550円(税込)を楽しむことができるので、広い店内で買い物を楽しんだ後は、こちらでほっと一息つけていいですよね。
ケーキはその日によって変わるそうなので、気軽にお尋ねくださいということです。
『うのもりや』さんの楽しみ方はもう一つ。
店内の螺旋階段を上った2階に「山内堂」という画廊が設置され、年に数回の企画展のほか、作家さんの個展等、様々な内容の展示・販売を行っているとのこと。
取材に伺った日はちょうど「たのしい茶道具展」(第26回)が開催中でした。
こちらの画廊で展示等の催しがある日は加茂駅から続く商店街の賑わいが違うといわれるほど人気のギャラリーです。こちらへもぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
スポット情報Spot Information
スポット名 |
うのもりや |
---|---|
TEL・予約 |
0256-52-0062 |
住所 |
加茂市仲町2-2 |
営業時間 |
平日:9:00~19:00 日曜・祝日:9:00~18:30 |
定休日 |
水曜・不定休 |
リンク |
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