木村屋パン店
全国的に有名な『木村屋パン店』の昔なつかしサンドパン。地元の人には
“ジャリパン”と呼ばれている理由とは。
阿賀野市笹岡の『木村屋パン店』といえば、過去に何度も全国放送のテレビ番組で紹介された人気店。
人気の秘密はいったい何なのでしょう。お店にうかがってお話をお聴きしてきました。
笹神エリアの田園地帯を進んだ住宅地。細い道のカーブに沿って行くと突然現れるお店は、まるでジブリ作品に登場しそうな素敵なたたずまいでした。
お話を聴かせてくださったのは3代目店主の渡邉均さん。創業者である初代の豊作さんの孫にあたる方です。
豊作さんは戦前から戦中にかけて東京銀座の有名パン店「木村屋」に勤め、のれん分けを受けるまでになり都内に店を構えました。ところが時代は戦争の真っ最中。
米軍の大空襲を受け、せっかくのお店は灰と化してしまったのだそうです。
戦後、日本中が敗戦の爪痕から立ち上がり復興していくなか、豊作さんは故郷である現在の地に戻り、再びパン店を開業しました。
それが現在の『木村屋パン店』の誕生です。店の名前はそのままに新たなスタートを切ったのでした。
創業時のレシピをずっと守っていらっしゃるんですか?とお尋ねすると、「いやあ」と渡邉さんは首を振りました。
「当時は戦後すぐのことですから、物資が何もなかったそうなんですよね。砂糖だって手に入らない。その中で工夫をしながらパン作りをしていたんでしょうから、今とはまったく違いますね」
当時の苦労がしのばれるお話でした。
現在の店主、均さんは学校を卒業後パン作りとはまったく違う職業に就き、左官業などを経験。その時点で家業のパン店を受け継ぐことは考えていなかったと言いますが、3人きょうだいの末っ子だったため上の2人が独立して家を出た後、最後に残った均さんが自然な流れでパン店を継ぐことになったのだそうです。
さて、木村屋パン店(地元ではキムパンと呼ばれ親しまれています)といえばこれ。
“サンドパン”に触れないわけにはいきません。
ふかふかのコッペパンにバタークリームやジャムマーガリン、ピーナッツクリームなどをサンドしたサンドパンは、いまや多くのパン屋さんで売られています。
それを当然のようにサンドパンと呼んでいますが、どうやらこの「サンドパン」という名前は木村屋パン店さん発祥らしいのです。
その由来は一番最初に作られていた商品にちなんでいました。
現在「幻のサンドパン」として復活している一番人気のパンは、ショートニングと砂糖を配合したクリームを使用することで、ジャリッという独特な食感を楽しめるのが特徴。
そのため地元では「ジャリパン」とも呼ばれているそうです。
なので、サンドパンのサンドは「砂」からきているのだとか!
このジャリパンが、いくつかの某有名番組で取り上げられたことで人気を呼び、現在でもすぐに売り切れてしまう人気商品となっています。
また、金曜限定でハード系のパンも店頭に登場!(写真はミックスフルーツ/240円+税)
木村屋パン店さんのパンの価格はどれもリーズナブルで、まとめ買いしていくお客様も少なくありません。
お昼近くの時間帯が最も多く商品が揃っているそうですが、なくなり次第閉店となりますので、お目当てのパンがある方は早めにどうぞ。
余談ですが、店主の渡邉均さんのお兄さんは、以前cocomoでもご紹介した江南区の『菓子工房カシュカシュ』店主の渡辺厚司さんだそうです。どちらも人気店で兄弟そろってのご活躍ぶりがスゴイですね!
カシュカシュさんの情報はこちらから♩
スポット情報Spot Information
スポット名 |
木村屋パン店 |
---|---|
TEL・予約 |
0250-62-3477 |
住所 |
阿賀野市笹岡1096-1 |
営業時間 |
9:00~19:00 |
定休日 |
木曜、第1日・月曜日、第3・5日曜 |
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