お菓子のきりん堂 Free Style Patisserie L.P.S
TVやインフルエンサーに紹介され話題の『お菓子のきりん堂 Free Style Patisserie L.P.S』歴史ある定番和菓子と極上スイーツ、両方を楽しめるお店です。
『お菓子のきりん堂』さんといえば狐の嫁入り行列の町・津川のお菓子屋さん。昭和27年頃の創業から約70年の歴史をもちます。地元はもちろん、遠方からもわざわざ『きりん堂』のお菓子を買いに来る人もいる人気店です。今回は3代目となるパティシエ、野潟澄孝(のがた すみゆき)さんにお話をうかがってきました。
『きりん堂』を創業したのは澄孝さんの祖父である野潟一郎さん。
当時は式菓子やもなかなどを作っていたほか市販の菓子類なども扱い、バイクでの配達を取り入れて東蒲原郡全域の小売店に卸売をしていたのだとか。
バイクで行けない場合などは汽車や渡し船まで利用して届けたといいますから、バイタリティあふれる商売人としての姿が思い浮かびます。
創業当初は一郎さんの実家である菓子店「文化堂本店」から独立したかたちで「文化堂支店」という名称だったそうですが、某有名俳優からもらったサイン色紙の宛書が、どういう勘違いからか「きりん堂」となっていたのを機に、それ以降正式に店名を「きりん堂」としたというおもしろエピソードがあるそうです。
2代目にあたる勉さん(澄孝さんの父)は新潟市内の「念吉」で菓子作りの修行をした後に家業である『きりん堂』へ入り、津川の名物である「狐の嫁入り行列」にちなんだ「狐の嫁入りもなか」や「手焼 狐せんべい」などを考案。津川のお土産の定番として人気となっていきます。
そして現在、勉さんと共に菓子作りに腕を振るうのが野潟澄孝さんです。
澄孝さんは新潟市内の製菓専門学校を卒業後、某ケーキ店に就職。と聞くと、学生時代から家業の後を継ぐ意識をもっていたように思えますがさにあらず。
高校時代、自身の進路についてはまったく考えがなかったという澄孝さん。学校の先生に勧められるままに専門学校へ進んだものの、出席率はなんと約30%だったと笑って話します。
就職したケーキ店には3年間勤めましたが経営陣の考え方になじめず退職。
しかしその次に就職したケーキ店「ルーテシア」で、澄孝さんの世界観はがらりと変わったのだそうです。
ここで初めて菓子作りを面白いと感じ、また、経営というものに対する興味関心が俄然強くなったという澄孝さんは、さらにもう1店で経験を積みます。その後実家の『きりん堂』が、道路拡張のため建て替えることになったのを機に15年前3代目として『きりん堂』へ戻ることに決めました。
澄孝さん自身が作る洋菓子のブランド名をL.P.Sと名付け、従来の和菓子部門を父の勉さんが担当。メディアやSNS等に広く働きかけるなど広報活動にも力を注いだこともあり、多くの番組やインフルエンサーが『きりん堂 L.P.S』のお菓子を話題に取り上げてくれるようになりました。
「L.P.S」とは、Libre Penceur Sumiyuki(リブル・パンスル・スミユキ)の略で 直訳すすると「自由な思想家・澄孝」となります。
既存の枠組みにとらわれず、お菓子業界だけに限らずさまざまな業種の人と接することで刺激やヒントを受け、自由な発想ができることを大切にしたいのだと、その意味を教えてくださいました。
澄孝さんが手がけた商品をご紹介していただきました。
しっかりとした固さがあるにもかかわらず、口に入れると、ジェラートのように溶けていく新感覚のプリンです。
プリンの上にかかっているキャラメルソースも自家炊きというこだわりよう。冷凍庫で2時間ほど冷やしてから、食べるとよりジェラートに近い感覚で食べることができるそうです。
高速・磐越道阿賀野川サービスエリア(下り)の売店とコラボした商品「小町レモン」。
澄孝さんが全国から探した食材を使用、濃縮されたレモンに品のある甘い香りのゆずを加えて焼き上げてあります。生地にはスイートレモンの果肉も入っていてしっとり。さらに瀬戸内レモンのチョコでコーティングしてあるので、レモンの風味をより強く感じます。澄孝さんのパティシエとしてのこだわりが詰まった本気の一品です。
ビターな香りのピスタチオと、まろやかな香ばしさのアーモンドがマッチしたプレミアムなパウンドケーキです。
濃いビターなピスタチオを使うことで、口いっぱいにピスタチオを感じられるそう。
ショーケースの中は宝石箱のような美しさでパウンドケーキが並んでいます。
パウンドケーキは、焼き菓子の中でもすごく繊細で扱いが難しいものだそうで、その分一本一本丁寧に作り上げています。
お菓子のデザインには美的センスも必要ですよねとお聞きすると、大きくうなずいた澄孝さん。たとえば女性の美しいネイルからヒントが湧くこともあるなど、常にアンテナを張って、感覚を磨き続けているのだそうです。だからこそこんなに美しいお菓子を生み出すことができるのですね。
また、冬季間限定(11月上旬~3月上旬)で販売される「大判焼き」も人気で、取材中にも何組ものお客様が買い求めに来店していました。あんことクリームの2種類があり、あんこは勉さん、クリームは澄孝さんが自ら炊いているとのこと。大判焼きのクリームを自家製で一から作っている店は珍しいのだそうです。そんなオリジナルな大判焼きは1個180円。冬の寒い日、ほかほかアツアツの大判焼き、最高のおやつですよね。
「田舎の菓子店なので、黙っていてもお客様が来てくださるというわけにはいかないんです」と話す澄孝さん。そのためのメディア、広報戦略を練るなど、ビジネスの勉強が大好きで、これからも広く知ってもらえて足を運んでもらえるようどんどん発信を続けていくそう。そんな『きりん堂 L.P.S』の新情報やお知らせは、主にInstagramで見ることができますので、ぜひチェックしてみてください。
スポット情報Spot Information
スポット名 |
お菓子のきりん堂 Free Style Patisserie L.P.S |
---|---|
TEL・予約 |
0254-92-2403 |
住所 |
東蒲原郡阿賀町津川93番地 |
営業時間 |
8:30~18:30 |
定休日 |
不定休(Instagramでおしらせしています) |
リンク |
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