コーヒー&レストラン ピノキオ
加茂の老舗喫茶店『ピノキオ』で元祖スパゲッティ・グラタンを。ああ、青春の味!
加茂市駅前にお店を構える『ピノキオ』さんは、昭和50年からこの地で営業を続けている名店です。
「元祖スパゲッティ・グラタンの店」という看板に惹かれ、店主の真柄誠さんにお話をうかがいました。
喫茶店ピノキオがオープンしたのは昭和50年ですが、それ以前は家業としてこの場所で旅館を営んでいたそうです。その当時は真柄さんの母親が調理を担当しており、家庭料理のようなメニューが、加茂を訪れていた宿泊客にたいへん好評だったのだとか。
しかし新幹線の開通に伴い、ビジネス客は日帰りが中心になっていき、旅館の宿泊客は減少。そこで旅館経営から喫茶店経営へと大きく舵を切ることになりました。訪ねてくれた方に食事を提供するという点では旅館経営時代と共通していたこと、また、当時の加茂には喫茶店があまりなかったことなどを追い風に、喫茶店『ピノキオ』は船出したのでした。
真柄さんご自身は工業大学を卒業後、会社員としての生活を送っていましたが、この時新しい家業となった喫茶店の経営を引き受けることに。そこから“マスター”としての日々が始まりました。
意外にも、何事も理詰めで考える理系の頭脳は、コーヒーを淹れたり料理を作ったりといった仕事に向いていたようで、「理論通りにやれば失敗がない」と真柄さん。それが『ピノキオ』の安定の美味しさの秘訣といえそうです。
看板メニューともいえるスパゲッティ・グラタン(980円)についてお聞きしてみました。 「せっかく喫茶店をやるのなら、加茂の食材を使った料理を作りたいと考えていた」という真柄さん。その頃、日本で最初にマカロニの製造を始めた会社が加茂市内にあり、そのマカロニを使った料理を作りたいと考えていたそうです。しかし、その会社ではすでにマカロニの製造を辞めていて、スパゲッティの製造しかしていませんでしたが、せっかくだったら、地元 加茂のモノを使いたいと思い、そちらのスパゲッティを卸してもらうことになったそうです。
そんな当時、店に来ていた高校生達からは「グラタンが食べたい」と熱烈にリクエストを受けたそうです。しかし、まだグラタンは家庭などで一般的に食べられていた時代ではなく、今よりも高価だったそうです。そこで、真柄さんは、グラタンにスパゲッティを入れれば、高校生たちでもリーズナブルに、そしてお腹いっぱいにすることができると考え、誕生したのが「スパゲッティ・グラタン」だそうです。
真柄さんの狙い通り、一般的なマカロニグラタンよりサイズを大きくし、価格も安く提供したことで、お腹の空いた高校生達からも大評判。他の店でも真似をされるほどの人気メニューとなりました。それからすでに40年以上、今でもスパグラは『ピノキオ』の看板メニューとなっています。
当時からずっと続いているメニューは他にも多くあり、デザート系で人気なのがこの「チョコロック」(750円)という名のチョコレート・パフェ。ネーミング一つにもユーモアがきいていて、チョコの岩山をイメージして名づけたそうです。
メニューは豊富で、グラタンだけでも5種類、さらにライスグラタン、ハンバーグやカレー、オムライス等々のがっつり食事系から、ピザやトースト等の軽食、スイーツ、カフェ系ドリンクに加えてアルコール類も。加茂で何か口にしたくなったら、とりあえずここへ来れば食べたい物が見つかる、そんな感じ!
落ち着いた店内。レンガと漆喰の壁が流行に左右されない懐かしさを感じさせます。長い歴史の間に、多くの方の人生を見守ってきたであろう真柄さん。 喫茶店はワルの溜まり場といった見方をされた時代もあり、某高校の生活指導の先生に、その指導の強引さについて苦情を言い、渡り合ったこともあるといいます。その頃『ピノキオ』に入り浸っていた高校生たちが、後に様々な場所で出世して立派になっていたり、うれしい事も、悲しい事も、多くの出来事があって現在につながっています。
テーブルの小さなキズの一つ一つにも、ここで繰り広げられたたくさんの思い出が詰まっているようで、胸の内側がぽっと温かくなるようです。現在では市外からわざわざ来られるお客さんも増えたそうで、ますますお店の思い出が増えていきそうです。
加茂を訪れた際には、ぜひお立ち寄りください。
スポット情報Spot Information
スポット名 |
コーヒー&レストラン ピノキオ |
---|---|
TEL・予約 |
0256-52-6339 |
住所 |
加茂市駅前4-14 |
営業時間 |
11:00~19:00(月曜日 11:00~16:00) |
定休日 |
火曜日 |
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