おもちびより
餅からお店までぜんぶ手づくり。阿賀町で愛される揚げもち屋『おもちびより』。
あげもち専門店「おもちびより」阿賀町の静かな場所で、香ばしい香りと夫婦のあたたかな笑顔が出迎えてくれます。

店主の松崎愼吾さんと、妻の裕子さんが二人三脚で営むこのお店は、2023年6月にオープンしました。愼吾さんは千葉県出身、裕子さんは富山県出身。そして、店を構えるこの場所は、栃尾にルーツをもつ、愼吾さんの父の土地。父親が所有していた敷地がたまたま空いていたことから、運命的にこの地での開業が決まりました。

きっかけは、熊本に住む愼吾さんの兄から紹介された、鹿児島のあげもち屋さん。「やってみないか」と声をかけられ、現地で味わったあげもちの美味しさに感動し、あげもち専門店としての挑戦が始まりました。
当初は夫婦それぞれ自営業を営みながらの兼業スタイルでしたが、今年からは「おもちびより」一本での専業に切り替えました。お店の名前は愼吾さんが考案。「和の雰囲気と響きの良さ」で名付けたそうです。

お店のこだわりは、素材選びから始まります。開業当初は九州から餅を仕入れていましたが、送料の問題もあり、「いっそ自分たちで作ろう」と一念発起。現在は農家さんから直接仕入れたもち米を使い、自分たちの手で餅づくりから行っています。
冷凍保存が可能な餅は、作れる時にまとめて仕込み、無駄が出ないように管理しています。「フードロスを出さない」という姿勢は、今の時代にぴったりの取り組みです。


建物自体も、実はご夫婦の手作り。愼吾さんはもともとモノづくりが得意で、今も店舗の外構は日々進化中とのこと。冬には阿賀町特有の“ドカ雪”にも耐えられる構造で、手作りとは思えないほどしっかりとした造りです。

メニューは、開業時は4種類だけだったそうですが、「お客さんが飽きないように」と次第にバリエーションが増えていきました。

季節ごとの人気メニューもあり、秋には「きのこ汁」、夏には「おろしポン酢」や「明太チーズ」などが特に好まれます。商品は注文を受けてから揚げたてを提供しています。また、スイーツ系では「黒蜜きなこ」や「バニラきなこ」が人気を集めています。
「おすすめは聞かれても言わないようにしてるんです。結局、みなさん自分で好きなのを選ぶから」と愼吾さん。あくまでお客さんの自由な選択を大切にしている姿勢が印象的でした。

あげもちと聞くと「油っこそう」と思われがちですが、「おもちびより」のあげもちは意外にもあっさり。外はサクッと軽く、中はとろ〜りとしたやわらかな餅の食感が絶妙で、一度食べたらやみつきになる美味しさです。

揚げ時間は約7分。特に夏場の調理は過酷で、店内にはエアコンがあるものの、キッチンカーでの出張販売では“灼熱地獄”になることもあるそうです。それでも、「人との出会い、ふれあいが宝物」と笑う愼吾さん。地域の人との温かなつながりが、日々の原動力になっています。

「普段、店の前を通るのは車かサルだけ」と笑う阿賀町での開業。でも、そんな静かな場所だからこそ、地域の人との絆が深まることも。近所のおじさんが臼と杵を寄贈してくれ、今は店内のシンボルとして飾られています。
90才近いおばあちゃんが、わざわざ歩いて買いに来てくれて「釣りはいらね、祝儀だ」と言って2個買って帰る、そんな素敵なエピソードも。


紙にくるまれたシンプルなスタイルの「FRIED MOCHI」は、揚げたてを片手でパクッと楽しめる、食べ歩きにぴったりの一品。メニューは全5種類で、おやつ感覚でサッと食べられる手軽さが魅力です。

「もし新潟市だったら、たくさんのお店に埋もれてしまったかもしれない。でも、阿賀町だからこそ“出会い”や“笑顔”が増えた」と話す愼吾さんの顔には、確かな充実感がにじんでいました。
お店はコンパクトながらも、店内にはベンチ席、外にはテラス席もあり、ゆったりと過ごすお客さんの姿も。暑い季節には冷たい麦茶、寒い季節には温かいお茶のサービスもあって、お客さんを大切にする思いが伝わってきます。

そしてこれからの夢は、「おもちびより」のあげもちをもっと多くの人に届けること。県内外問わず、たくさんの人にこの味を知ってほしい。そんな願いを胸に、今日もご夫婦は揚げもちを揚げ続けています。
香ばしい音とともに、笑顔が広がる場所。「おもちびより」で、あげもち日和なひとときをぜひ。
スポット情報Spot Information
スポット名 |
おもちびより |
---|---|
TEL・予約 |
080-8190-4441 |
住所 |
東蒲原郡阿賀町天満6-10 |
営業時間 |
11:00~17:00 (冬期は積雪などの状況により変動あり) |
定休日 |
月曜・木曜 |
リンク |
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