2024.11.29 新潟市南区月潟

マスヤ製菓

明治6年創業の老舗菓子店『マスヤ製菓』。国指定天然記念物の「類産梨」の果実を使用した「梨ようかん」は絶品！爽やかで上品な甘さとなめらかな口どけを体験してみませんか。

駐車場あり

稲作のほかに果樹栽培も盛んな新潟市南区月潟地区にある『マスヤ製菓』さんは、明治6年創業の老舗の菓子店です。地域の特産品を活かしたお菓子が特徴で、その中でも特に有名なのが「梨ようかん」。この梨ようかんは、国の天然記念物に指定されている「類産梨」の木の果実を使用しており、地元の人々にも愛されている逸品です。

他にも多彩なお菓子を販売されているということなので、おじゃましてお話を伺ってきました！

『マスヤ製菓』さんがあるのはレトロな雰囲気がなんともいい感じの「月潟商店街」。中ノ口川に沿った昔ながらの小さな商店街で、北端と南端に据えられたゲートが目印です。

お店は、地元で愛され続ける街のお菓子屋さんというたたずまい。外には名物「梨ようかん」の看板が掲げられているのですぐに「ここだ！」と見つけられます。

迎えてくださったのは優しい笑顔がすてきな店主、関根健一さん。
関根さんは高校を卒業後、新潟市内の洋菓子店で4年間修行を積んだ後、『マスヤ製菓』へ。職人さんたちから和菓子のノウハウを教わりつつ、洋菓子の製造販売も進めました。
創業者である初代店主は関根さんの祖父。父は関根さんがまだ幼い頃に亡くなったため、関根さんが後を継げるようになるまでは親戚の方々が協力して店を続けてくれたのだそうです。
現在では、息子の建さんも戦力に加わって、菓子作りだけでなくお店の情報発信等にも力を入れているそうで頼もしいですね！

そんな『マスヤ製菓』さんで、特にオススメの商品を何点かピックアップしてご紹介します。

まず、『マスヤ製菓』さんといえば有名なのが、冒頭でもご紹介した「梨ようかん」。
この「梨ようかん」の一番の特徴は、使用されている果実が国指定天然記念物になっている“ 類産梨（るいさんなし）”の果実であること。
パッケージを開けると、梨の淡い香りが食欲をそそられます。なめらかな口どけと、爽やかで上品な甘さ。くどさを感じさせない美味しさは、一切れといわずいくらでも口に運びたくなってしまいます。

約200年の樹齢を持つ「類産梨」の木は、江戸時代後期に現在の千葉県から持ち帰られた苗木が起源とされています。その苗木が成長し、地域の梨畑に根付いたものが「類産梨」として大切に育てられ、現存しているのが1本のみと大変貴重な存在になります。
梨を収穫できるのが秋の短い期間のため、年間を通じてようかんを製造するために関根さんは4年がかりで加工方法を考案したそうです。
もちろんその方法は企業秘密！！

左：かぼでんセットサブレ各種入り（1,050円/税込）、右：かぼでんサブレ 2枚入り（195円/税込）

続いてご紹介するのが、「かぼでんサブレ」。
かつて、新潟市の県庁前（現在の市役所前）から燕市の間を走っていたかぼちゃ電車。現在は運行していないレトロな鉄道車両が旧月潟駅に保存展示されており、それにちなんだお菓子になります。
かぼちゃの実と種がたっぷり入っているのが印象的！ほんのりとした甘さで子どもも食べやすくお土産にも人気の一品です。

緑とオレンジ色の路面電車がかつて新潟市内を走っていたことを知っている世代の方にとってなつかしいのはもちろんですが、今ではかぼちゃ電車のラッピングバスが新潟市内を走っており、このデザインを見たことある若い人も多いはず！

旧月潟駅で毎年開催されるイベントでは、約100メートルの短い区間を走るかぼちゃ電車の乗車体験ができます。これは「世界一短い電車旅」とも称され、毎回多くの方が訪れるのだとか。
同日に別のイベントを開催している月潟商店街にも多くの方が立ち寄り、「かぼでんサブレ」をお土産に買って帰られる方もいて大忙しとのこと。

さて、月潟名物をもうひとつご紹介。
月潟は新潟県を代表する伝統的な大道芸「角兵衛獅子」の発祥の地としても知られています。
貧しい農村の少年たちが生計を立てるために、角兵衛が創案した獅子舞を江戸に出向いて舞いを披露したことから始まったものと言われています。江戸時代の書物にもその名が残されており、卓越した芸能で京都や江戸では年の初めの慶祝に欠かすことのできない行事となっていたとのこと。
それにちなんだお菓子が「角兵衛せんべい」です。かわいらしい角兵衛獅子の焼き印が施されています。素朴な甘さの薄焼きせんべいは、サクッとした食感も楽しく、なつかしい味わいです。