中央町

ますや食堂

地元商店街で100年以上続く老舗「ますや食堂」
内外装とメニューを一新し、新たな歴史が刻まれました。

昭和のレトロ感満載の定食屋から、内外装とメニューを一新しリニューアルオープンした「ますや食堂」。
新店長は「ますや」の跡取りで、和食の職人として30年のキャリアを持つ渡辺敏広さんです。
渡辺さんは、惜しまれつつ閉店した和食人気店の料理長を10年も務められていました。
家業を継いだきっかけやお店への想いをお聞きしました。

渡辺さんは、地元で100年以上代々営んできた老舗の跡取りとして育ちましたが、家業を継ぐことは一切考えていませんでした。
「物心ついたころから祖父に跡取りと言われて育ちましたが、中学生から始めた音楽活動でプロを目指していたので跡継ぎのことなど全く眼中になかったんです。」
高校を卒業するまで金髪ロン毛の自由奔放な青春を謳歌していた敏広少年でしたが、高校卒業の後に人生がガラリと変わる転機が訪れました。

「『明日面接に行くぞ』って急に親に言われて、新潟市の料亭に連れて行かれたんです。 祖父の料理人仲間のお店のようでした。親に迷惑もかけたからとりあえず体裁を整えるつもりで面接しましたが、料理人になるつもりは全くなかったので金髪ロン毛のまま面接を受けました。それでも採用してもらって、先輩たちに親切に教えてもらい4年間修行しました。」

和食を学び、新たな活躍の場を求め新潟市北区の人気店に転職した渡辺さん。その店は県の内外からお客さんが訪れるほどの有名店だったので、とにかく忙しかったそうです。伝統的な和食の技だけでは通用しない調理場のやり方に戸惑いつつも現場に慣れてきた頃、また人生の転機が訪れました。

「若気の至りでした(笑)。ふと、新潟から離れたくなったので仕事をやめて沖縄に行ったんです。そこで住み込みのバイトを探していたら、ある店で募集が出ていました。そのお店のオーナーと話をしていたらなんとオーナーの奥さんが水原出身の方でした。そんな偶然あるのか!?って、地元の話をしていたら急に帰りたくなってなんやかんや2か月後に戻ってきました。(笑)」

新潟に帰ってきて再び料理人として働くことになった会社は、全国に飲食店をチェーン展開している大手企業で、渡辺さんが配属になった和食店は地元の素材と味を大切にした料理が人気の繁盛店でした。

「現場はとにかく忙しくて。今では信じられないでしょうが、朝の7時から夜中の3時まで休憩なしで働き通しでした。この時の調理長がとても厳しい人で職人が何人も辞めていくんですが、自分は負けたくない気持ちで厨房に立ち続けたんです。」
その甲斐あって、料理長が退職した後はその後を任されることに。

毎日忙しい日々のなか、過去最高の売り上げを樹立し順風満帆に見えた料理人人生でしたが、また次の転機が訪れます。
2020年からのコロナパンデミックで飲食店が次々と閉店する中、渡辺さんが勤めていたお店も閉店を余儀なくされたのです。この頃から独立することを意識し始めた渡辺さんは、退職して親の店を継ぐことを決意しました。

「両親が守り続けた「ますや食堂」を次の時代にも残したい気持ちと、年々寂しくなっていくこの地域を盛り上げたいと思う気持ちが重なったら答えはひとつでした。」

祖父の代から続く店舗は昭和レトロな雰囲気が満載でしたが、跡継ぎの気合いを込めて全面リニューアルを決行。1階は白と黒をベースにシンプルモダンな和がテーマ、 2階は金と銀をベースにした上品な雰囲気の宴会場。

メニューも一新し、たくさんのオリジナルメニューが誕生しました。その中から人気の3品をご紹介します。

リニューアルオープンを記念したオリジナルメニュー「二重カツ丼」は、他では味わえないオリジナルメニュー。
一見普通のかつ丼と思われますが、こちらは2段構造のかつ丼となっており、上は“卵とじのかつ”、ご飯の中には煮豚を揚げた“タレかつ”が入っています。

村上産もち豚を使用した卵とじのかつは、食感がとても柔らかくしっとり。手作りの甘じょっぱいタレがしみたかつは卵でふんわり包まれ、もちもちの阿賀野市産コシヒカリとの相性は最高です。食べ進めていくと、とろけるほど柔らかい煮豚のタレかつがごはんの中からこんにちは。こちらは手作りのうなぎ用のタレをまとった濃厚なお味。
一杯で2つの味を堪能できる贅沢なメニューです。

魚介類の乾物を長時間蒸し器にかけ、旨味のエキスをぎゅっと抽出し、辛ひき肉と合わせて作るトロトロの麻婆スープは、細めの麺に絡んで食べ飽きない味わい。ブレンドした山椒のさわやかな辛みと実山椒のパンチの効いた辛みが口の中ではじけます。全トロスープなので、最後まで熱々を味わえるのもうれしい。

塩を効かせたプリンは後味がさっぱりして堅めの食感。トッピングはその時の季節の果物を使用しています。写真は晩白柚(ばんぺいゆ)という果実の皮を甘く煮たものと金柑をトッピング。カラメルソースの甘みの後に柑橘の酸味がアクセントになっています。

リニューアルしたメニューは「昼ますや」と「夜ますや」に分かれ、それぞれに楽しめるところも魅力です。
麺ものは昼ますやの限定メニューとのことなので、見落としの無いように!またご飯と麺の大盛りが無料なんて嬉しい限りですよね!

渡辺さんが作る料理は調味料からすべて独自の配合。ソースやタレ、お醤油も全てご自身でお料理に合うようにブレンドしており、手間をかけて作られています。五感を刺激する繊細な香りや味も表現されている職人の味です。こんなにも手間暇がかかっているのに、価格はリーズナブル。本当にいいのでしょうか?と疑ってしまう程です。

ボリュームたっぷりでリーズナブルに味わえる「昼ますや」と居酒屋メニューと多彩なお酒が楽しめる「夜ますや」。
心から美味しいと思えるお料理をお腹いっぱい味わってみませんか?

駐車場は道路を挟んだお店の前にあります。その他、第二・第三まで用意しているので電話で確認してください。

スポット情報Spot Information

スポット名

ますや食堂

TEL・予約

0250-62-2019

住所

阿賀野市中央町1-1-35

営業時間

11:30~14:30(L.O 14:00)
17:00~21:30(L.O 21:00)

定休日

月曜・不定休

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